家族信託活用事例

~不動産収入に関わる認知症対策~

高知のAさんは高知市内にマンションを所有しており、不動産収入があります。子供は長男B、長女C、次女Dの3人です。

Aさんが亡くなってしまった場合にはマンションを売却して3等分するのではなく、子供たちに家賃収入を取らせてあげたいと考えていました。 しかし、共有名義となると後にマンション経営の決定に兄弟で意見の違いが出たりするのではないかと心配し、どうしたらよいか悩んでいました。あと15年もすればマンションが老朽化し、補修や建て替え、売却や処分の問題が出てきますが、3人も決定権者がいると難しいと考えていました。

マンションを信託財産として、委託者:A、受託者:長男B、受益者:A、第二次受益者:長男B、長女C、次女D(取り分は3等分)という信託設定をします。 また、信託契約の中で長男Bが独自の判断でマンションの補修工事、建て替え、売却処分などを出来るように設定しておきます。
Aさんの生前は、認知症など判断能力が低下してしまった場合でも長男Bが陣頭指揮をとれるようにするためや、マンション継承の準備期間として、長男Bにマンション管理を実際にさせてみて勉強させる意味もあります。 また、Aさんが生きている間は受益者もAさんですので、贈与税や不動産取得税等は発生しません。Aさんが亡くなった後は、マンションの所有権を3人にするのではなく、第二次受益者として子供3人に受益権を共有させることで、資産承継においては所有権の共有と同様の効果を実現することができます。
長女Cと次女Dは賃料収入を得ることができますが、長男Bの経営方針、売却処分の判断に口を出すことができませんので揉めることもありません。
よくあるケースで相続対策もせずに不動産を相続し、さらに時が経ちその相続人も死去し、共有名義者が10人以上になってしまうような「不動産の共有名義で塩漬け」というような状況も防ぐことができます。

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~不動産に関わる税金対策~

Aさんはアパートを3棟所有しており、今後の管理のため、株式会社を作り、株式会社にアパートを売却することを考えています。

しかし、不動産を売却するとなると多額の登録免許税や不動産取得税が発生します。

Aさんを委託者兼受益者、Aさんが設立した一般社団法人B社を受託者として信託契約を締結しました。
Aさんはその受益権を資産管理会社である新設法人に売買します。
売買による所有権移転登記の登録免許税は1000分の15、信託の登記は土地について1000分の3、建物について1000分の4
大幅に登録免許税が削減できます。


~不動産売買に関わる認知症対策~

Aさんには子供が2人います(B、C)。現在1人暮らしをしているが、最近調子が悪くなり、自分の判断能力がなくなったら、施設に入所することを考えています。

Aさんには自宅不動産、現預金、投資信託等の財産があります。

Aさんは自分が認知症になった後に介護老人施設の入居費用のために、不動産を売却することを望んでいます。

Aさんを委託者兼受益者、Bさんを受託者として信託契約書を作成します。BさんはAさんが認知症になったあとに自宅不動産を売却します。
認知症対策としては、成年後見制度の利用や財産管理委任契約の締結等の方法も考えられますが、成年後見制度では本人の財産を守ることが主目的であるため家庭裁判所により売却が認められない場合が多々あります。
家族信託を利用するメリットとしては、信託契約に記載したとおりに財産を運用 することができる点です。
自宅を売却した代金は、その管理を受託者Bさんが行い、Aさんの施設入居費用として使用することができるのです。

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~配偶者・親亡き後の対策

Aさんの妻Bさんは既に認知症で施設に入居しているため、現在はAさんがその費用を負担しています。

しかしAさんも認知症になったり、亡くなったりした場合には、妻の介護のことなどで、できるだけ息子のCさんに負担がかかることを避けたいと考えています。

将来Aさんが他界した場合には、妻Bさんは判断能力がないため、相続の分配が難しくなるため、Aさんを委託者兼受益者とし、息子のCさんを受託者として信託契約を締結しました。
受託者である長男が単独で不動産管理や母の施設の費用支払いなどの財産管理を行うことができます。
家族信託を利用することで、判断能力がないとされる認知症の配偶者に財産を残すことができます。


~事業承継対策~

会社を経営しているAさんには子供が3人います(B、C、D)。会社の全株はAさんの所有になっています。

現在長男が会社で働いていますが、あと3年程度で後を継いでもらい、自分は引退したいと考えています。

Aさんを委託者、長男のBさんを受託者、配当の受け取るなど受益者もAさんとして信託財産を会社株式とする信託契約書を作成します。
Aさんが元気なうちは会社経営を行うが、3年間でBさんを後継者として育て、やがてすべての権限を長男に任せることができます。
家族信託は事業承継対策として活用することで、長男が会社経営を自分の判断で行い、C、Dの2人の子供は受益権のみを承継させることができるのです。

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